TRAVESSIA

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★診断基準には2種類ある
 精神科医に広く用いられている診断基準(マニュアル)には2種類あります。1つはWHO(世界保健機構)発行のICD-10(国際疾病分類)で、もう1つはアメリカ精神医学会発行のDSM-IV-TR(精神疾患の分類と診断の手引・第4版改訂版)です。
 これらの診断基準の特徴は、病気の症状に焦点をあてて分類してあるという点にあります。つまり、病気の原因やその人の性格などは考慮せず、一定の症状が一定期間持続すると、○○という病気と診断するという方式をとっているのです。

★DSM-IV-TRの特長と注意点
 特にDSM-IV-TRは世界の多くの国で用いられており、わが国においても主流となっています。その理由として、内容は両者ともほぼ同じであるものの、DSM-IV-TRの方が規定が明確であり、より均質な診断を下すことが可能であるという点が挙げられます。
 このことにより、心の病気の早期発見・早期治療が期待できるようになりました。

 一方で、十分な問診が行われないままに、診断基準の症状項目の個数を満たしたからといって簡単に診断を下し、結果として過剰診断となってしまうことも珍しくありません。逆に、診断基準の項目に1つだけ足りないという理由で、その病気の可能性が否定されてしまい、適切な診断・治療につながらないということもあり得るのです。臨床現場では、うつ病の初期段階など精神症状の持続期間の基準を満たさなかったり、抑うつ症状があっても軽度なために基準を満たさなかったりするケースが良く見られます。

 このように診断基準を用いるには、ある程度臨床的な研修が必要であり、機械的に用いてはならない点に注意が必要とされています。

★国の法律に関連する診断はICD-10
 なお、労災における診断など国の定める法律に関連する診断については、原則としてICD-10を基準とするよう指示されていることが多いようです。